中国、西部の砂漠で太陽光発電と砂漠化対策を一体推進

甘粛省武威市凉州区にある20万キロワット太陽光発電兼砂漠化対策プロジェクトの建設現場。（資料写真、武威＝新華社配信）

【新華社武威3月28日】中国で4番目に大きい砂漠、騰格里（トングリ）砂漠の辺縁に位置する甘粛省武威市では、太陽光発電と砂漠化対策が一体的に実施され効果を上げている。

同市凉州区にある20万キロワット太陽光発電兼砂漠化対策プロジェクトの建設現場には、高さ2メートルを超えるソーラーパネルが約6500ムー（約4.3平方キロ）の敷地に整然と並ぶ。プロジェクトの技術責任者を務める肖鏵（しょう・か）氏は「建設には砂漠を克服するだけでなく、冬には氷点下20度の凍土に毎月1万5200本の杭を打つ必要がある」と厳しい自然環境での作業について説明した。

中国インフラ大手、中国電力建設集団傘下の中国水利水電第七工程局は、プロジェクトチームを結成し成都理工大学と協力して、太陽光発電プロジェクトが位置する砂漠地帯の植生回復に技術的なサポートを提供している。

ソーラーパネルは砂の移動を防ぐ障壁と同様の役割を果たす。風や砂がパネルを通り抜けることで風速は大幅に弱まり、砂も遠くまで運ばれない。同時に、太陽光発電アレイの外周に、わらなどを地面に格子状に埋め込んで砂の移動を防ぐ「草方格」を設置して1ムー（約667平方メートル）当たり2キロを基準に砂地植物を播種し、かんがいと組み合わせることで、外周の防風防砂林と太陽光発電所内の砂防エリアが効果的に砂の移動を防ぐ。

植物が成長すれば風食に対する地表の耐性が大幅に向上し、風や砂によるソーラーパネルの架台の腐食や太陽光発電システムの部品の損壊を軽減できる。ソーラーパネルには、日陰を作り風を防ぐと同時に、太陽エネルギーの一部を吸収し、雨を集める機能もあり、温度を下げ土壌への水分を補充する効果もあるという。

同プロジェクトは2023年末に系統接続し発電を開始した。完成・稼働後の年間平均発電量は4億キロワット時以上に達し、標準炭換算で12万3500トンの石炭消費を節約、二酸化炭素（CO2）排出量37万1500トンを削減する見込み。

ここ数年、CO2排出量を30年までに減少へと転換し、60年までに実質ゼロとする「双炭」目標の下、甘粛省は中国西部における重要な新エネルギー拠点および新エネルギー設備製造業拠点の一つとなり、クリーンエネルギー開発と生態環境管理の組み合わせはますます効果を発揮している。全国第6次荒漠化・砂漠化モニタリングの結果によると、省内の荒漠化、砂漠化した土地はそれぞれ2627平方キロ、1045平方キロ減少した。（記者/梁軍、王銘禹）

全文翻译：

     （日本专线）中国在西部沙漠探索发电与治沙两不误

新华社兰州3月27日电（记者梁军、王铭禹）在中国第四大沙漠腾格里沙漠边缘的甘肃省武威市，人们探索一边在光伏板上太阳能发电，一边在板下撒播沙生植物，达到既投产清洁能源，又治理沙漠的双重功效。

武威市凉州区一处20万千瓦光伏治沙项目建设现场，一望无际的沙丘上，整齐排列着2米多高的光伏板，这个项目的占地面积将近6500亩。“建设者不仅要克服沙漠环境，冬季还要在零下20摄氏度的冻土环境里完成每月1.52万根桩的任务。”项目技术负责人肖铧说。

中国电建水电七局在这里大胆尝试、科学探索，成立了植被协同固沙生态修复技术及示范科研项目团队，与成都理工大学地质灾害防治与地质环境保护国家重点实验团队合作，全力为光伏治沙区植被恢复提供技术支撑。

光伏电板如同沙障，当风沙流通过光伏板时，风速显著降低，风沙流的挟沙能力被大大削弱。同时，在光伏方阵外围布设草方格沙障，按照2公斤/亩的标准撒播沙生植物，配合灌溉，形成外围防风固沙林、光伏场内固沙区的有效固沙形态。

肖铧说，沙漠里极度缺水，光伏板下栽种植物难度很大。仅仅选择植物类型就很费事，既要考虑耗水量低、存活率高、固沙效果好，又要兼顾植物高度适宜，不能影响阳光对光伏板的照射。

记者采访了解到，植物的生长可大大提高地表抗风蚀能力，减少风流沙对光伏板基础的侵蚀和沙尘对光伏元件的危害，光伏板在遮阴、防风的同时，吸收了一部分太阳能并且有集雨功能，达到降温和补充士壤水分的效果。

据了解，该项目2023年底并网发电，建成投运后，年平均上网电量将达到4亿多千瓦时，可节约标准煤12.35万吨，减少二氧化碳排放量37.15万吨。

近年来，在“双碳”目标引领下，甘肃省己成为西部重要的新能源基地和新能源装备制造业基地之一，清洁能源开发和生态环境治理结合的效果日益显著。据全国第六次荒漠化和沙化监测结果显示，甘肃荒漠化和沙化土地分别减少2627平方公里和1045平方公里。（完）

原文链接：https://nordot.app/1146093189287952466